あらすじ 帰宅部プロフェッショナルを自称する高校二年生の『榊木彗』は自由に使える放課後を日々謳歌していた。 入部届も退部届も不要のホワイト部活、帰宅部。その一員であることに最大限の誇りを持つ彼は高2の秋、とある美女教師から任務を与えられた。 「問題児・日羽アリナの毒舌を治療せよ」 幾多の男からの告白と求愛を踏みにじってきた容姿だけは100点満点のアリナ。 ある日、【毒舌薔薇】という異名を持つ彼女を更生してほしいと彼は頼まれた。 地上最強部活動・帰宅部の一員としては禁忌の行為である、放課後に学校に残ることを彼は迫られたが美女教師の依頼を断ることはできず、放課後は学校で時間を費やすことに。 毒舌と暴力の権化のような美少女《日羽アリナ》 冗談しか言わない帰宅部員《榊木彗》 二人の狂ったスクールライフは罵倒とジョークでいつも混沌としている。 しかし彼はまだ、彼女に隠された秘密と幻を知らなかった――。 ※第123話「そして毒舌薔薇はかく語りき」で本編完結です。 以降は後日談&サイドストーリーとなっております。 約一年間のご声援、心よりお礼申し上げます。
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毒舌少女のために帰宅部辞めました|この恋は、罵倒と本音の青春劇。
水埜アテルイさんの作品『毒舌少女のために帰宅部辞めました』。
「小説家になろう」の〈恋愛/現実〉ジャンルにおいて、レビュー数上位常連の名作ラブストーリーです。レビュー数は読者の支持を可視化する大切な指標。迷ったときは、まずレビュー順に並べてみてください。本作のような“本物の恋愛小説”ときっと出会えるはずです。
さて、この物語。タイトルから想像するような軽い学園ラブコメではありません。確かにクスッと笑える日常の掛け合いはあります。ですが、本質はもっと深く、もっと重くて、そして……涙腺を確実に揺さぶってくる一冊です。
読めば読むほど、心に刺さる。続きを知りたい、でも読み終えたくない──そんな矛盾に苦しむ人が続出する傑作です。
あらすじ
帰宅部に命を懸ける(?)高校生・榊木彗(さかき・すい)は、ある日、“毒舌薔薇”と呼ばれる美少女・日羽アリナと出会う。人を拒絶し、誰にも心を開かない彼女。ひょんなことから、彗は彼女と行動を共にするようになる。
「なぜ、彼女はあんなにも人を遠ざけるのか?」
“帰宅”を最優先にしてきた彼が、毒舌少女の心に触れたとき、物語は動き出す。
ジョークと罵倒に彩られた会話劇の裏に隠された、真実と本音。そして、終盤に向かうほど加速する切なさと温もりが、心をぎゅっと掴んで離しません。
注目ポイント①:罵倒とジョークの応酬が心地よい
この作品の最大の魅力。それは主人公二人の“口撃戦”です。アリナの毒舌は容赦なく、しかしどこか品がある。彗はそれをさらりと受け流し、時には見事に返してみせる。
この軽妙なやり取りがとにかく絶妙。読んでいて笑いながらも、二人の距離が少しずつ縮まっていくのが見えて、読者としてはニヤけずにはいられません。
そして、その“罵倒”が次第に“言葉にならない本音”に変わっていく瞬間。そこにあるのは、恋とか、愛とか、もっと繊細で壊れやすい何か。気づけば、こちらも感情を乗せて読んでいる自分がいるんです。
注目ポイント②:助演女優賞は誰の手に
恋愛小説において、“脇役”の存在は物語を彩るスパイスになります。本作にも、そんな「ヒロインかと思いきや違った……でも確実に印象に残る」キャラクターが登場します。
彼女の存在があるからこそ、アリナの“毒舌”が輝き、彗の“優しさ”が試されます。そして読者は、「ヒロインって、誰?」と迷わされる。
だからこそ、この物語は面白い。
ただの一対一の恋愛では終わらせない深みがあります。
注目ポイント③:タイトルが語る、彼女の変化
各話のタイトルに注目して読んでみてください。物語の中で、アリナの立ち位置や心の変化が、そのままタイトルに表れています。
最終話のタイトルは「そして毒舌薔薇はかく語りき」。
読み終えたとき、このタイトルの意味が胸に染みてくるはずです。
“語る”のは言葉だけじゃない。
彼女がどんな想いを抱き、どんな時間を積み重ねてきたのか――それが静かに、でも確かに語られているのです。
注目ポイント④:「運命の人」は、つくるもの
本作を読み終えたあと、ふと頭をよぎったのは『星の王子さま』の“薔薇”のエピソードでした。
王子さまが大切にしていたたったひとつの薔薇は、実は世界に無数に存在していた。でも、彼にとって特別だったのは、自分で世話をし、時間をかけて向き合ってきた薔薇だから。
最初から運命の人なんて、いない。
一緒に過ごし、ぶつかり合って、笑って、泣いて……そうやって少しずつ、「運命の人になっていく」んです。
この物語も、まさにそんな話だと私は思います。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
読み進めるほどに、ただの学園ラブコメではないことがわかります。そして、読み終えた頃にはきっと、あの毒舌少女のことが、あなたの中でも特別になっていることでしょう。
心の奥まで染みわたるような読後感。痛みも、喜びも、優しさも、全部詰まったこの物語を、ぜひ味わってください。
「このレベルの小説が、無料で読めるなんて……!」
そう思わずにはいられない、まさに“心をくすぐる名作”です。
リメイク版「わたしの愛した彗星」