CHIROLUさんの作品『うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。』
こちらの作品2019年にアニメ化されております。
完結済みで非常に読みやすい。さらさらと読めます。しかし、決して単調なわけではありません。穏やかな幼少時代を経て、時は進み、物語は思わぬ方向へ。
表現が繊細で非常に丁寧な文体で書かれているため、ファンタジー要素・バトル要素を含みながらも、うまく溶け合い優しい世界観を作り上げています。
物語のラストまで颯爽と駈け抜け読了後は、満足感に包まれること間違いなしです。
それでは、一押し作品「うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。」の概要と注目ポイントを紹介していきたいと思います！
主人公は、18歳の青年デイル。それなりに顔の知れた冒険者である彼は、魔物の住む暗い森で一人の幼い子供と出会う。
魔族の罪人の証である折れた角を持つこの子供は追放されたのだと考える。
どうやら両親と死に分かれてしまったらしいその子供は、これから先何を頼りに生きていくのだろうか。
こんなに小さな子が一人で生きていけるほど、この世界は甘くなどないのだ。
デイルは覚悟を決める。この子の保護者になろう。
まずは、言葉を教えよう。それから、学校にも行かせて、友達なんかも作ったりして、ああ、この子は一体どんな大人になるんだろうか。
注目ポイントその１「ラティナ幼少期」
はい、ラティナは拾った子供の名前です。はじめは性別も分からないくらい薄汚れていましたが、可愛らしい女の子でした。彼女はどうしようもなく不安だった森の中から救い出してくれたデイルに対して、とてもよく懐きます。デイルがいれば安心、デイルがいないと不安。幼い彼女は少しでもデイルの役に立とうと奮闘します。
それを見るデイルはまさに父親そのもので、世界一大切なラティナを悲しませるようなことはしたくないのです。
幼いラティナが大好きなデイルのために、と献身する姿に心温まること間違いなしです。
注目ポイントその２「魔人族」
どこの世界でも種族・人種の違いは迫害に繋がってしまうものです。理解できないから恐れ、遠ざけ、滅ぼそうとさえする。どんなに近くにいても人の心なんてわからないものです。大事なのはわかろうとすること。知ろうとすること。ラティナは魔人族で、デイルは人間族。ここに隔たりなんてないんです。共に過ごして、お互いを知ってきたその事実が、二人の関係を変えるきっかけになります。
注目ポイントその３「帰郷」
デイルの里帰りシーンが登場します。
デイルの強さの秘密。そして、過去の因縁。
いいですね～、ザ・ファンタジーな感じ。現実世界で実家に帰って起こるエピソードなんて大したことないですからね～。
注目ポイントその４「タイトル」
各話のタイトルがラティナの成長に合わせて変化していきます。
はじめはちいさな娘、幼き少女となり、終盤は白金の乙女になります。
そして物語の終わりの方は、白金の娘となります。この変化に作者様はどういった意図を込められたのか。各話のタイトルに味があって、独特の穏やかな雰囲気を作り出していると思います。
ネット小説を読む際はあまり各話のタイトルが目に入らないかもしれませんが、本作のタイトルには要注目です。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
本記事の最後まで辿り着かずに、早速読みにいかれた方もいらっしゃるでしょうか笑
とにかくこのレベルの小説が無料で公開されているんです！
誰かのために覚悟を決める勇者の物語。とても綺麗なハッピーエンドを迎えるため、心の活力が漲ります。ぜひ、感動のラストをご賞味ください。
一人でも多くの方にこんなにも素敵な小説があることをお伝えできればと思います。
