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至高の小説紹介「蜘蛛ですが、なにか?」

馬場翁さんの作品『蜘蛛ですが、なにか?』

こちらの作品、書籍化の他にコミカライズもされており、上に記載しているのはコミカライズ版になります。この独特な表紙、深い意味が隠されております。笑
やけに現代的?反抗的?な特徴のあるタイトルと同じような話し方の主人公を中心に、登場人物たちの主観で物語は進んでいきます。
書籍版の挿絵も見事な世界観で描かれているのでそちらもチェックしていただければと思います。
それでは、一押し作品「蜘蛛ですが、なにか」の概要と注目ポイントを紹介していきたいと思います!

概要

ある出来事に巻き込まれて異世界で蜘蛛に転生してしまった主人公。

転生先は有象無象がひしめき合うサバイバル根性満載の洞窟の中だった。
あっさりと現実を受け止めたうえで、過酷すぎる環境にも適応し、洞窟からの脱出を試みる主人公。

蜘蛛に転生してからどれほどの時が経ったのだろうか。

人知れず地底深くの洞窟で、もがき懸命に生きようとする者がいるー
一方で、地上世界ではかつてないほどの戦いの火蓋が切って落とされようとしていた。

注目ポイントその1「洞窟生活」

主人公の蜘蛛さん、なかなか洞窟から出てきません。
もはやダンジョンものといってもいいくらいサバイバル生活をこなしていきます。
ただ、この転生先の洞窟がとんでもなくやばいところで、それはもう簡単には出てこられません。先に進めば進むほど新たな強敵が現れ、あの手この手でなんとか生きながらえて物語は進んでいきます。

その一方で、別視点で描かれる地上のストーリーは一見、主人公の登場の余地がないほどに別世界のことのように感じます。この構成面白いんですよ。後述しますが、主人公の性格も相まって全く別の作品のような世界観が地上と地底にはあります。

物語が進むにつれて、地上世界に出てくる化け物(主人公)が一体何をしでかすんでしょうかね。

注目ポイントその2「主人公の性格」

本作の主人公には色々な側面があります。
ノリと勢いで行動してしまう短絡的な思考から、冷静に状況を分析して最善手を指すような思慮深さも兼ね備えています。さらに物語が進むと人類と関わり始めるのですが、そこでもどこか浮世離れしたような言動が目立ってきます。
このアンバランスな内面が物語に独特のテンポを与え、少し不可思議な世界観を作り上げています。
ただ、序盤の主人公は自由奔放で、どこか危なっかしいながらも一貫して面白いやつです。笑 ギャグセンスといった言い方で正しく表現できているのかわかりませんが、言葉のチョイスひとつひとつに光るものがあります。

注目ポイントその3「蜘蛛スペック」

某有名ヒーローにスパイダーな男がいますが、蜘蛛って生物としての基本スペックが高いと思うんです。壁は自由自在に登れて、糸による立体機動もお手の物。しなやかな四肢に毒もある。多彩な武器を持っています。
その基本スペックに人間的思考力とゲーム的なスキルが合わさる本作の主人公は、底が見えません。
唯一の欠点はその見た目でしょうか。
デフォルメされてはいますが、蜘蛛ってどうあがいても節足動物門鋏角亜門クモガタ綱クモ目なんですよね。(興味がある方は勇気を出してググってみてください)
潜在的な恐怖が呼び起こされるのも、蜘蛛の強さの一端なのかもしれません。

注目ポイントその4「名前はまだない」

はい、ここまで読んでいただいた方の中にはすでにお気づきの方もいらっしゃるかもしれません。
本作を紹介するにあたって、一度も主人公の名前を使っておりません。
これは一体どういうことなんでしょうね。笑

注目ポイントその5「蜘蛛ですが?」

本作はここに尽きます。
蜘蛛なんですよ、主人公は。
もう一度本記事の一番上まで戻ってみてみてください。

なにかおかしな点に気付くかもしれません。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
本記事の最後まで辿り着かずに、早速読みにいかれた方もいらっしゃるでしょうか笑
とにかくこのレベルの小説が無料で公開されているんです!

本作も素晴らしいストーリー構成と魅力的なキャラクターたちが登場します!
寝る間を惜しんで読みふけってしまうこと間違いなしです!

一人でも多くの方にこんなにも素敵な小説があることをお伝えできればと思います。