人類は思い出した――
あの日、自分たちがヤツらに支配されていた恐怖を。
鳥籠の中で自由を夢見るしかなかった屈辱を――。
巨人に支配された世界で、壁の中に追いやられた人類。
希望の象徴だった「壁」は、ある日、唐突に崩れ落ちる。
少年エレン・イェーガーが目にした“母の最期”と“巨人の恐怖”は、
彼の運命を狂わせ、やがて世界の形すら変えていくことになる。
これは、単なる巨人とのバトル漫画ではない。
「自由とは何か」「人間とは何か」
その問いを突きつけられながら、読者もまた世界の真実へと飲み込まれていく。
全9章にわたって描かれる、壮絶な“進撃”の軌跡。
ここから始まるのは、“人類”vs“巨人”の戦いではなく――
“希望”vs“絶望”の物語だ。
5分でわかる進撃の巨人|第1章:二千年後の君へ編
「その日、人類は思い出した。やつらに支配されていた恐怖を。鳥かごの中に囚われていた屈辱を。」
この印象的なモノローグから始まる物語は、まさに“絶望”の衝撃で幕を開ける。壁の外に広がる未知の世界。100年の平和は、突如として崩れ去る。超大型巨人の出現、ウォール・マリアの崩壊――家も、家族も、すべてを奪われた少年・エレンの怒りが爆発する。
「駆逐してやる、この世から一匹残らず!」
幼馴染のミカサ、アルミンと共に避難し、やがて彼らは“調査兵団”への道を選ぶ。エレンの動機はひとつ。巨人をすべて駆逐し、自由を掴むこと。だけどこの世界は、そう簡単じゃない。人類の希望も、絶望も、全部ひっくるめて“訓練兵団”での過酷な日々が始まっていく。
ミカサの圧倒的な戦闘力、アルミンの知恵、そしてジャンやサシャ、コニーといった仲間たちとの出会い。このあたりはテンポも良く、緊張感とユーモアが同居する“前夜祭”のような時間だ。でも、その“平穏”さえも一瞬で崩れる。
トロスト区に、再び超大型巨人が現れたのだ。
巨人の恐怖は、ここから容赦なく日常に突き刺さる。仲間が次々と食われ、逃げ惑い、戦意を失っていく中――エレンが下した決断は、自分の命を差し出すこと。アルミンを救うため、巨人の口へと飛び込んだ瞬間は、視聴者にも強烈なインパクトを残す。
ここで誰もが思う。「主人公、ここで死んだ…のか?」
だが、物語は予想のはるか上をいく。
突如現れる“味方を攻撃しない巨人”。人類のために巨人を殴り飛ばす異端の存在――それこそが、エレンだった。
彼は死んだのではなく、“巨人の力”を得て蘇ったのだ。
この瞬間、「進撃の巨人」は単なる人類VS巨人の物語ではなくなる。
巨人の正体とは? なぜエレンが巨人化できるのか?
この世界の“真実”はどこにあるのか?
謎が謎を呼ぶ展開へと、一気にギアを上げていく。
第1章はわずか2巻分ながら、“進撃”という物語のエンジンをかけるには十分すぎるほどの熱量と衝撃が詰まっている。
巨人の恐怖、仲間との絆、そして“主人公の異能”――
全てがここから始まる。
次回、「第2章:トロスト区奪還編」では、エレンの“巨人の力”が世界を揺るがしていく。
それでは「5分でわかる進撃の巨人|第2章:トロスト区奪還編」をお届けします。
この章は、エレンの“巨人化”という衝撃が、そのまま人類の運命を左右する希望へと変わっていく重要な転換点です。