5分でわかる進撃の巨人|第4章:ウトガルド城・獣の巨人編
「壁の中に巨人がいる――」
その事実を突きつけられた壁内人類は、これまで信じてきた“常識”を一つずつ剥ぎ取られていく。
宗教団体「ウォール教」はその事実に口をつぐみ、調査兵団はますます孤立しながらも核心に迫っていく。
一方、訓練兵団の仲間たちはウトガルド城跡へと避難していた。
そこで待ち受けていたのは、またしても“夜の巨人襲来”だった。
ここから始まるのは、生き残りを懸けた小規模ながら壮絶な戦いだ。
ナナバやゲルガーといった熟練の兵士たちが次々に倒れていく中、
ユミルが“自ら巨人化”するという想定外の展開が炸裂する。
そう、ユミルもまた“巨人の力”を持っていたのだ。
無垢な巨人に囲まれながら、正体を隠していたユミルは、
クリスタを守るために変身し、命懸けの戦いを挑む。
その姿は、これまでとはまったく異なる“人間ドラマ”の熱さを感じさせる。
この章ではもう一つ、大きな転換点がある。
それが――ライナーとベルトルトの正体の告白。
「エレン。俺たちが…鎧の巨人と超大型巨人なんだ」
この場面は、進撃史上もっとも“あっけなく、でも震える”暴露のひとつだ。
伏線を読み込んでいた読者には“ついに来た”という衝撃が、
初見の読者には“理解が追いつかない混乱”が一気に押し寄せる。
まさか、共に訓練を受け、壁を共に守った“仲間”が、
ウォール・マリア崩壊の張本人だったとは――。
この告白の仕方も異質だ。
まるで昼下がりの雑談のように淡々と、
でもその裏には、とてつもない葛藤と諦めが滲んでいる。
そしてすぐに始まる巨人化、壮絶な戦闘。
ライナー(鎧の巨人)とベルトルト(超大型巨人)、
そしてエレン(進撃の巨人)の三者がぶつかり合う怒涛のバトル。
ただのバトルではない。
「なぜ裏切ったのか」
「なぜ仲間だったのか」
そんな問いがぐちゃぐちゃに混ざり合った、感情のぶつかり合いだ。
アルミンやミカサの叫び。
クリスタの戸惑い。
ユミルの選択。
すべてが、すでに“人類VS巨人”という単純な構図では語れなくなっていた。
敵とは何か。
味方とは何か。
巨人とは何か。
――この章は、それらの問いを読者に強く突きつけてくる。
物語は、単なる“生存戦争”から“思想の衝突”へと進化した。
次回、「第5章:王政編」では、壁内に隠された“本当の支配者”と、ヒストリアの出生の秘密、
そしてエレンの力の源が明らかになっていく。
それでは「5分でわかる進撃の巨人|第5章:王政編」をお届けします。
この章は“人類の敵”が巨人ではなく“人類そのもの”だったと突きつけられる、シリーズ屈指のターニングポイントです。