5分でわかる進撃の巨人|第7章:マーレ編
物語は一変する。
舞台は海の向こう、“マーレ帝国”――
これまで「巨人を送り込んでくる敵」として描かれてきた国家の内部だ。
ここで描かれるのは、“マーレの戦士”たちの物語。
ライナー、ベルトルト、アニ、そして新たな世代のガビやファルコたち。
彼らもまた、“壁の中の悪魔”を倒すために育てられた“被害者”だった。
彼らの暮らし、葛藤、誇り、洗脳、差別。
読者はここで初めて、「エルディア人とは何か」「マーレ帝国とは何か」という巨大な構図を突きつけられる。
そして、静かに、しかし着実に物語へ再登場してくるのが――エレン・イェーガーだ。
髪を伸ばし、名前を偽り、車椅子に乗って現れた彼は、
もはや“かつてのエレン”ではない。
彼は言う。
「敵を、駆逐する」
だがその“敵”とはもはや“巨人”ではなく、“世界そのもの”だ。
突如として始まる宣戦布告の演説。
その最中、エレンはマーレの将軍ヴィリー・タイバーの目前で巨人化し、
都市を襲撃、無差別に人々を踏み潰す。
かつての“被害者”が、今度は“加害者”として世界の敵となる。
仲間たちも再登場するが、もはや関係性は複雑だ。
アルミンもミカサも、エレンの変貌に困惑し、
「これが本当にエレンなのか」と何度も問い直す。
そしてリヴァイ、ジャン、コニー、サシャたちも、
“マーレの街”で、兵士ではない民間人を殺すことに罪悪感を抱く。
ここではもう、「誰が悪で、誰が正義か」は曖昧だ。
そして、サシャが銃弾に倒れる。
ガビという少女が引き金を引いたその瞬間、
エレンの“戦争”は取り返しのつかない場所に達したことがはっきりする。
サシャの死は、ただの主要キャラの退場ではない。
「この戦いが何を奪っているか」を読者に痛烈に突きつけてくる。
エレンは単独行動を重ね、ついには“始祖の巨人”と“戦槌の巨人”をも掌握。
かつての“自由を求める少年”は、誰よりも恐ろしい存在へと変貌していく。
一方で、ファルコやガビといった新世代のキャラたちは、
敵味方を越えて“人間性”に目覚めていく。
ガビは壁内の人々と関わる中で、「壁の中の悪魔」が“ただの人間”だと知る。
この章は、とにかく視点の転換が鮮やかだ。
正義も悪も立場次第で変わる。
読者自身が「自分がどこに立っていたのか」を問われるような構成になっている。
そしてラスト、エレンは“地鳴らし”を発動させる準備を整える。
世界を滅ぼすために。
自由を手に入れるために。
その代償に、何を捨てるのか――
次回、「第8章:地鳴らし編」では、
ついにその“世界を踏み潰す”力が動き出す。
エレンと仲間たちの関係は完全に決裂し、
かつての“仲間同士”が“殺し合う”という最悪の展開へと進んでいく。
それでは、「5分でわかる進撃の巨人|第8章:地鳴らし編」をお届けします。
この章は、エレン・イェーガーという人物の“帰結”が問われる物語の核心部分。
仲間を裏切り、世界を敵に回し、自由の名のもとに踏み出したその一歩の“代償”が描かれます。
それでは、「5分でわかる進撃の巨人|第8章:地鳴らし編」をお届けします。
この章は、エレン・イェーガーという人物の“帰結”が問われる物語の核心部分。
仲間を裏切り、世界を敵に回し、自由の名のもとに踏み出したその一歩の“代償”が描かれます。