5分でわかる進撃の巨人|第8章:地鳴らし編
「俺は、進み続ける」
それはエレンの決意であり、世界に対する“宣戦布告”でもあった。
──すべてを踏み潰す。
始祖ユミルと接触したエレンは、ついに「地鳴らし」を発動させる。
パラディ島の壁に封じられていた超大型巨人たちが、次々に姿を現し、世界に向けて進み出す。
これはもう、“戦争”ではない。
“終末”そのものだ。
足音だけで大地が崩れ、蒸気だけで人々は焼き尽くされる。
その巨人の行進に、マーレは、そして世界中の国々が恐怖で沈黙する。
だが、エレンは言う。
「お前らが俺たちの自由を奪おうとするなら、俺はそのすべてを踏み潰す」
その姿は、かつて“自由”を叫んでいた少年の延長なのか、
それとも“悪魔”と化した破壊者なのか。
もう誰にも分からない。
ここから始まるのは、かつて仲間だった者たちが「エレンを止める」ために動く物語。
アルミン、ミカサ、ジャン、コニー、リヴァイ、ハンジ――
そして、ライナー、アニ、ピーク、ガビ、ファルコ。
敵も味方も関係なく、“世界を救うための連合”が結成される。
その中心にあるのは、「どうすればエレンを止められるか」――
そして、「止めるべきなのか」という葛藤だった。
エレンが地鳴らしを発動させたのは、“大切な人を守るため”。
島を守るには、外の世界を滅ぼすしかないという結論。
その歪さも、痛みも、理解できてしまうからこそ、止めることが“裏切り”にも思えてしまう。
仲間たちは、エレンに「答え」を求め続ける。
なぜそこまでの手段を選んだのか。
まだ他に方法はなかったのか。
それでも、エレンはただ黙って進み続ける。
「お前らには止められない」
ハンジは、その巨体に立ちはだかり、炎に包まれながら最期を迎える。
仲間の未来のために、自分の命を差し出す姿は、
まさに「人類の希望」だった。
そして、空中機動部隊による“最後の作戦”が始まる。
ここで描かれるのは、エレンと仲間たちの“心の対話”。
始祖ユミルの記憶の世界で交錯する思い出と選択。
そのすべてが、「誰が悪で、誰が正義か」という問いを壊していく。
ミカサにとっての“エレン”とは何だったのか。
アルミンにとっての“希望”とは何だったのか。
エレンが最後に望んでいたものは、破壊ではなかったのかもしれない。
それでも、「自分が悪役になれば、みんなが団結できる」と信じた彼は、
その結末を“自ら選んだ”。
そして、ミカサは“最後の決断”を下す――
次回、「第9章:最終決戦と新しい世界編」では、
エレンとの決着、始祖ユミルの呪いの終焉、
そして進撃の物語が“未来”へと繋がる最後の扉を開く。