小説家になろう:5分でわかる「インフィニット・デンドログラム」

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第一章:Ordeal of Rookie

アルター王国のフィールドで、初心者マスターを狙う同時多発PKが発生。

装備も経験も浅いレイは、レベル上げの最中に謎のPKに一方的に倒されてしまう。

はじめて味わう“プレイヤー死亡の喪失”——経験値や時間ではなく、自尊心が抉られる。

復讐衝動に駆られる一方で、彼は冷静に「なぜ負けたか」を分解する。

装備の質、位置取り、撤退判断、そして何より情報不足。

そこでレイは、兄やマリーからビルド指針と索敵の基礎を叩き込み、弱点を潰しにかかる。

……が、雪辱戦の舞台はあっけなく消えた。

王国を包囲していたPK群は、四人の<超級>により一掃されたのだ。

個の努力では届かない階層の存在を前に、レイは“世界の天井”を知る。

落胆ではなく、目標が生まれた。

「いつか、守りたいときに守れる力を」

悔しさを燃料に基礎を積む期間——視界に入るものすべてが経験値だ。

負けを起点に、レイの戦い方は“勝つための最短”から“守り切るための最適”へと舵を切る。

この転換が、後の大事件で命運を分けることになる。


第二章:不死の獣たち

決闘都市ギデオン周辺で、子どもを攫うゴゥズメイズ山賊団の情報が浮上。

拠点は堅牢、戦力は多層。

さらに相手は“再起動”めいた復活挙動で粘る。

単発火力では押し切れず、再生条件を上回る連続与ダメか核条件の破壊が鍵になる。

レイは異国ドライフ皇国のマスター、【高位操縦士】ユーゴーとそのエンブリオであるキューコと共闘。

国家を跨ぐ連携に躊躇はない。

目的は一致している——子どもを無事に連れ帰ること。

事前に役割分担(拘束/撹乱/核露出)を定め、夜間に奇襲。

レイはネメシスの打撃を“連撃の線”に束ねて再生を上回るDPSを確保、ユーゴーは機体運用で制空・制圧、キューコが要所でデバフを刺す。

崩落する廊下、泣き叫ぶ子ども、時間切れのカウント。

焦燥のなかで決まった会心の一撃が核に届き、再生ループは破断。

救出は成功した。

だが、ティアンの涙は消えない。

ここでレイは確信する。

「勝利=誰かが生きて帰ること」

数値の達成より、帰還の結果を優先する彼のプレイ哲学が、はっきり輪郭を持った瞬間だった。


第三章:<超級激突>

ギデオン——決闘を誇るこの都市で、ついに超級と超級が正面衝突する。

王国三巨頭“無限連鎖”【超闘士】フィガロに挑むのは、黄河帝国の決闘ランキング二位、“応龍”【尸解仙】迅羽

迅羽は「フィガロが膝をつくまで一歩も動かない」と宣言し、理不尽なまでの受けの妙で圧をかけ続ける。

戦場が沈黙の緊張で満たされ、観衆は呼吸を忘れる。

レイは観客席で“格の違い”を目に刻む——地形、呼吸、間合い、全てが資源だ。

決着は、街の景色を塗り替える一閃。

だが歓声は長く続かない。

ドライフ皇国の<超級>、“最弱最悪”【大教授】Mr.フランクリンが企てた“醜悪なゲーム”が幕を開け、さらに世界の底に蠢いていた正体不明が姿を現す。

絶望を越えた先に、さらに濃い絶望が連なっている——それが“超級階層が触れる現実”。

レイは戦場の端で誓う。

「いつか、この余波で人が死なないようにする」

この誓いは、後の大戦で彼の行動原理を縛り、そして救う。

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この記事を書いた人

「小説家になろう」歴10年、これまでに読破した作品は200タイトル以上。少年漫画から青年漫画、ラブコメ、ギャグまで幅広く手を伸ばし、ジャンルの垣根なく楽しむ雑食系エンタメファン。毎月4本は映画館で鑑賞するほどの映画好きで、特にポケモンとワンピースへの愛は筋金入り。大人になっても心がワクワクする――そんなエンタメ作品を皆さんにお届けします。