なろう小説レビューvol.2「インフィニット・デンドログラム」

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『<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム-』

各プレイヤーの行動や性格、プレイスタイルによって独自に能力が進化するシステム<エンブリオ>。人と間違うような、確かにその世界に息づくNPCたち<ティアン>。そんな夢のようなシステムを備えたダイブ型VRMMO<Infinite Dendrogram>は、瞬く間に一大ムーブメントとなって世界を席巻し、数多くのユーザーがこのゲームを楽しんでいた。大学受験を終えて東京で一人暮らしを始めた青年・椋鳥玲二もまた、受験勉強の終了を記念して、かねてより兄に誘われていた<Infinite Dendrogram>を起動する。

これは世界か、遊戯の話。

そして思い出の物語である。

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――無限に広がる可能性、その世界に、飛び込め。

海道左近さんによる本作『<Infinite Dendrogram>』は、書籍化・漫画化・アニメ化・BD化と、まさにメディア展開の王道を駆け上がってきた大人気シリーズです。

人気の理由?それは、徹底的に作り込まれた世界観と、没入感あふれるVRMMO描写にあります。

さらに、映像化にも映える緻密な設定とスピーディな展開、そして個性豊かなキャラクターたち。SF好きもファンタジー好きも、ついつい引き込まれてしまう――そんな作品なんです。

ジャンルとしてはVRMMO、あるいはハイファンタジーに分類されますが、リアル世界との接続や社会性の描写も絶妙。

現代に生きる読者が“もうひとつの現実”として、自然に受け入れられる物語構成になっています。

それでは、一押し作品『インフィニット・デンドログラム』の見どころを、ネタバレを避けつつご紹介していきましょう!


主人公は、東京で一人暮らしを始めた青年・椋鳥玲二

物語は、大学受験を終えて東京に出てきた青年・椋鳥玲二が、兄の誘いを受けて話題のVRMMO《Infinite Dendrogram》を起動するところから始まります。

ログイン初日、彼が出会うのは“ただのNPC”ではありません。

彼ら《ティアン》は、まるで本物の人間のように感じ、考え、動き、生きている――

その完成度に圧倒された玲二(アバター名:レイ)は、仮想世界での冒険へと踏み出します。

しかし、この世界が“ただのゲーム”ではないことに、すぐ気づくことになるのです。


注目ポイント①:「エンブリオ」──唯一無二の“相棒”システム

《Infinite Dendrogram》の最大の特徴、それが**“エンブリオ”**と呼ばれる存在。

ゲーム開始時にプレイヤーに与えられるこのエンブリオは、育成・進化によってまったく異なる姿・能力に変化していく、完全オーダーメイド型の相棒です。

大まかなタイプは以下の5種:

  • アームズ型:武器・防具・道具として機能
  • ガードナー型:モンスターとしてプレイヤーを守る
  • チャリオッツ型:乗り物型で行動をサポート
  • キャッスル型:プレイヤーが住まう拠点を提供
  • テリトリー型:結界や領域を展開する特殊タイプ

ただし、これらに当てはまらない“オンリーワン”な存在も…?

進化段階に応じて「第〇形態」と呼ばれ、世界にただひとつ、自分だけの“無限の可能性”が形を変えて育っていく感覚は、読者としてもワクワクが止まりません!

しかもこのエンブリオ、リセットもやり直しもきかない。まさに“一発勝負の相棒”です。


注目ポイント②:強キャラが強キャラのまま、暴れまわる世界

本作に登場するプレイヤーたちは、とにかく“強い”

しかも、ただ強いだけじゃない。

よくある「主人公より強いキャラ=かませ犬」ではなく、彼ら自身が物語を動かす存在として、それぞれの物語と戦いを持っているのです。

そして時に、主人公レイを置いてけぼりにして強キャラ同士でガチバトルが始まったりもします(笑)

それでも主人公が埋もれないのは、彼自身に“物語の核心を握る役割”がしっかりと用意されているから。

キャラが立ってる。世界が生きてる。バトルが熱い。

この三拍子が、圧倒的な読後感を生み出します。


注目ポイント③:……で、なんでクマ?

忘れちゃいけないのが“兄”の存在。

この作品、兄がインパクトありすぎです。

見た目はどう見ても“クマ”(着ぐるみ)。言動もほぼクマ。でも中身は超有能なプレイヤー。

なぜクマなのか?という問いに答える前に、「いや、クマでよくない?」ってなってしまう謎の説得力があります。

もう、クマじゃなかったら物足りない。

人はなぜクマに憧れるのか――そんな問いすら浮かんできます(笑)


注目ポイント④:VRの裏にある“リアル”なドラマ

どんなに仮想世界で生きていても、プレイヤーの中身は現実に生きる“ひとりの人間”。

《Infinite Dendrogram》に集う人々にも、それぞれの人生や過去、想いがあり、物語の中でその断片が少しずつ語られていきます。

ゲームというフィクションの中に浮かび上がる、リアルな感情と選択。

“ゲーム”を描いていながら、実は“人間”を描いている作品でもあるんです。


おわりに

いかがでしたか?

『インフィニット・デンドログラム』は、ただのゲーム世界ファンタジーではありません。

壮大な世界観、唯一無二の相棒、熱い戦い、笑える要素、そして心を打つ人間ドラマ――

これらすべてが詰まった、“無限”の物語です。

「自分だけのエンブリオ」と冒険する世界。

一度覗けば、もう戻れないかもしれません。

そして、こんな作品が無料で読めるという奇跡。

ぜひ今すぐ、新時代のVR小説の世界に触れてみてください。

その物語は、まだ終わっていません。

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この記事を書いた人

「小説家になろう」歴10年、これまでに読破した作品は200タイトル以上。少年漫画から青年漫画、ラブコメ、ギャグまで幅広く手を伸ばし、ジャンルの垣根なく楽しむ雑食系エンタメファン。毎月4本は映画館で鑑賞するほどの映画好きで、特にポケモンとワンピースへの愛は筋金入り。大人になっても心がワクワクする――そんなエンタメ作品を皆さんにお届けします。