男が主役の悪役令嬢物!? 異世界に転生した「リオン」は、貧乏男爵家の三男坊として前世でプレイさせられた「あの乙女ゲーの世界」で生きることに。 そこは大地が浮かび、飛行船が空を行き交うファンタジー世界。 だが、リオンは素直に楽しめない。 何故ならそこは設定がふわふわしたあの乙女ゲーの世界だと知っていたからだ。 そんな世界にリオンは、ゲームでは名前すら存在しない「モブ」として転生してしまう。 学園では女子のみが専属使用人という亜人種を奴隷として連れるのが当たり前の世界。 男子は亜人種を連れることも許されず、婚活では常に下手に出て苦労する。 しかし、あの乙女ゲーの攻略対象である貴公子の男子たちは例外で女子に囲まれチヤホヤされていた。 そんな姿を見たリオンは、理不尽な境遇に怒りを募らせていく。 転生した先がふわふわした設定の乙女ゲー世界だと思い込んでしまったリオンは、平和の未来を掴み取るためゲーム知識や卑怯な手を使い様々な困難に立ち向かう! ――はずだったのだが。
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『乙女ゲー世界はモブには厳しい世界です』
──”モブ”なんて呼ばせない。転生者リオン、世界をぶっ壊す!?
三嶋与夢さんの代表作『セブンス』で注目を集めた作者が、さらに筆致を研ぎ澄ませて生み出した傑作が本作――
『乙女ゲー世界はモブには厳しい世界です』です。
異世界転生×乙女ゲー×ロボ×女尊男卑×古代文明――
ジャンルてんこ盛りなようでいて、すべてがしっかりと一本の軸で繋がっている完成度の高い物語。
一見軽そうなタイトルの裏には、驚くほど深い設定と痛快な展開が詰まっています!
ではさっそく、この唯一無二の転生ファンタジーの魅力をご紹介しましょう。
物語の概要
主人公・リオンは、辺境の男爵家の三男。
ある日、ひどい頭痛と共に思い出す。
「ここは、自分が生前プレイしていた乙女ゲーの世界だ」
しかし、その世界は女尊男卑が蔓延り、男性の地位が極端に低いという過酷な環境。
モブ男性キャラとして人生を終えるか、抗ってのし上がるか。
リオンが選んだのは、「弟を守り、自分も生き延びる」という第三の選択。
そして彼は、失われた古代文明の遺産・人工知能を搭載した**飛行船“ルクシオン”**を手にする。
この出会いが、やがて世界そのものを揺るがす革命の始まりとなる――!
注目ポイント①:無機物ヒロイン、ルクシオン
本作の最大の相棒にして、最強の飛行船“ルクシオン”。
普段は小型ロボの姿でリオンに付き従う、まさに“AI搭載無機物ヒロイン”です。
しかし、このルクシオン、人間(とくに新人類)に対する嫌悪感がすごい。とにかく人間を信用しない。滅ぼしたい。
それでもリオンにはどこか情のようなものを感じていて、皮肉と毒を吐きながらも絶対的に支えてくれる、まさにバディオブバディ。
AIとは思えぬ情緒と合理性が同居した存在で、読者人気も非常に高いキャラです。
このリオンとルクシオンの掛け合いが、物語のテンポとユーモアを生み出す大きなエンジンになっています。
注目ポイント②:妹、行方不明につき
リオンには、現世に妹がいました。
そして転生した彼は、心の片隅でずっと彼女のことを想っています。
「自分が転生したあと、家族はどうなったのか――」
その答えは、物語が進む中で思いがけない形で現れてきます。
妹との再会はあるのか? どんな関係性になるのか?
この伏線もまた、非常に巧みに織り込まれていて注目です。
注目ポイント③:乙女ゲー設定、ガチで活かされてます
本作は単に「乙女ゲーの世界に転生しました~」というだけではありません。
プレイヤーがイケメンキャラと恋愛してハーレムを築く“乙女ゲー”の構造を、ロジックとして物語に組み込んでいるのが秀逸。
攻略対象となる王子たちはどいつもこいつもクセ強&問題児。
ゲームなら「キャー素敵!」となるキャラたちが、現実世界ではどれほど厄介か、リオンが身をもって味わう羽目に。笑
そしてもちろん、お約束の“悪役令嬢”も登場。
ただ、本作のスゴいところは、そうしたテンプレ的存在にもしっかり“背景”と“人間味”を与えてくれるところ。
誰が正義で、誰が悪なのか。一筋縄ではいかない“人間関係”が、物語に深みを加えてくれます。
注目ポイント④:モブって誰のことだ?
タイトルにもある「モブ」という言葉。
たしかにリオンは、貴族社会の中では目立たない男爵家の三男坊。
でも、ルクシオンを手にしてからの彼の行動は、モブどころか主人公中の主人公です。
物語が進むほど、リオンの存在は周囲に大きな影響を与え、気づけば世界の命運を握る存在に……。
「乙女ゲー世界はモブには厳しい」とは言うけれど――
そのモブが世界をぶっ壊す!
これぞ痛快転生ファンタジー!
おわりに
いかがでしたでしょうか?
『乙女ゲー世界はモブには厳しい世界です』は、
ただの転生モノではありません。
“テンプレ”に見える設定すらしっかりと解体・再構築し、予測不可能な展開と深い人間描写で魅せてくれます。
笑いあり、戦いあり、陰謀あり、ちょっと切なさもあり。
そして何より、読後に「リオン、かっけえ……」と心の底から思える作品です。
「乙女ゲーとか、なんか女子向けっぽいし」とスルーしていたそこのあなた。
それはもったいない!
ぜひ一度、ページをめくってみてください。
“モブ”が主役になる瞬間の痛快さを、ぜひあなたの目で確かめてください。