至高の小説紹介「平和の守護者」

平和の守護者

池崎数也さんの作品『平和の守護者』

こちらの作品、書籍版では「創世のエブリオットシード」として出版されています。
「平和の守護者」から「創世のエブリオットシード」に変更した経緯は公表されてはいませんが、どちらの意味も作中にヒントが隠されており、納得のタイトルとなっています。

タイトルからはあまり想像できませんが、いわゆる学園ものになります。ただ、普通の学校ではなく、軍事学校です。笑 個人的にはウェブ小説史上最もかっこいい教官が登場してまいります。
それでは、一押し作品「平和の守護者」の概要と注目ポイントを紹介していきたいと思います!

概要

主人公は、15歳の少年、河原崎博孝。
ES能力者と呼ばれる特殊能力を持つ人類が現れてから、世界は一変した。
人は飛行機に乗らずとも、空を飛ぶことができる。

少年は夢見る。いつか自分も空を飛んでみたい。

ES能力者として訓練校に通うことになる博孝。
厳しい訓練と過酷な実戦を経て、確実に成長していく少年たち。

時に助け合い、時にぶつかり合う、若き訓練生の物語。
誰かのためになら何度だって立ち上がれる。

注目ポイントその1「河原崎博孝」

一つ目の注目ポイントは主人公そのものです。The正統派主人公!
周りが見えていて、頭が良くて、判断力があり、リーダーシップがある。
ラッキーでは、解決しません。地に足のついた優秀な生徒です。
お調子者の一面もありますが、それも周りの雰囲気を感じ取り、あえて空気を和やかにするためだったりします。

まさに主人公オブ主人公の博孝くん。
主役がしっかりしているストーリーはまとまりがあっていいですね。

注目ポイントその2「仲間たち」

博孝の仲間たちは得意なことと苦手なことがはっきりしています。
ある一点においてスペシャリストな人が集まってチームになると強い集団になりますよね。その中心にはカリスマ的なリーダー。
時に、意志は伝播し、何倍にも膨れ上がるものなんです。

注目ポイントその3「ES能力」

物語の核を担う重要なファクターにして、ES能力という設定こそが本作の醍醐味だといえます。
この能力、ファンタジーな魔法ではありません。筋肉みたいなものですかね。
扱い方や力そのものの鍛え方などを訓練校では教わっていくわけですが、当然、優秀な人もいれば、そうでない人もいます。

この差はなにか。才能でしょうか?努力でしょうか?

答えはいくつもあるのだと思います。そのうちの大きな要因の一つに「環境」があると思います。優秀な人って、環境を自ら作り上げるタイプの人と成長する環境に入り込んでいくタイプの人がいると思いませんか?
博孝はまさに作り上げるタイプ。人が何と言おうと自分の目標のため邁進します。
他人から見れば努力、しかし、努力している人は努力をしているわけではないのです。
ただ、叶えたい目標に向かってあがき立ち向かっているのです。

注目ポイントその4「戦争」

物語は進み、やがて世界に不穏な動きが目立ち始めます。
軍はなんのためにあるのか。戦うためですよね。
本作は軍事学校の卵たちのお話です。
学生とはいえ、戦う力を持つ者は戦いに巻き込まれていくことになります。

異世界物の小説に中世ヨーロッパが舞台に選ばれやすいのはなぜでしょうか。
中世ヨーロッパには、戦争・宗教・王政・革命と強烈な要素がこれでもかと詰め込まれています。つまり、物語を作りやすいということ。
しかし、あながち架空の物語ではなかったりします。
実際に物語みたいなことが現実に起こって、今の時代に繋がっています。

そんな中、本作では、戦いに行く、行かざるを得ない少年たちの心の葛藤や、覚悟を決めるその姿に心が震えること間違いなしです。

注目ポイントその5「教官」

強く気高い大人の姿を少年たちに見せる、最高の教官が登場します。
この教官、めちゃくちゃかっこいいです。
本作は教官と生徒の成長物語です。それがすべてといっても過言ではありません。笑
死んでほしくない、ただ生き抜いてほしい。その思いがあるから、教官の行動は一貫しています。
第一線で活躍し、見てきた過酷な世界に自分の大切な教え子たちを向かわせることを決して教官は望んでなどいませんでした。
その気持ちが痛いほど伝わってきます。

博孝たち訓練生にもその思いは届きます。彼らは越えていきます。
その背中に憧れたからこそ、羽ばたく姿を見せたいと思うのです。

最高の教官との最高な関係をぜひ見届けていただきたいと思います。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
本記事の最後まで辿り着かずに、早速読みにいかれた方もいらっしゃるでしょうか笑
とにかくこのレベルの小説が無料で公開されているんです!

笑いあり、涙ありの超大作です。友情や親愛、どれもが一級品で胸が高鳴る作品となっています!

一人でも多くの方にこんなにも素敵な小説があることをお伝えできればと思います。