基礎から学べる金融ガイド3〜預貯金編〜

はじめに

金融庁と民間企業が協働で作成した

「基礎から学べる金融ガイド」

から、今回は「預貯金」について抜粋して紹介します!

預ける・ためる・引き出す・振り込む

預貯金」とは、銀行や信用金庫、ゆうちょ銀行などにお金を預けることをさします。

口座を開設して、お金を預けるだけではなく、振り込みや引き落としなどを上手に活用しましょう。

金融機関の便利な機能

預ける

自分の口座に預けることでお金を安全に管理できます。

ためる

必要なときに備えてお金をためたいときにも活躍。

毎月決まった額を早いうちから貯蓄すれば、まとまったお金をためやすくなります。

引き出す

金融機関はもちろん、コンビニなどのATMでも引き出せます。

振り込む

給料や家賃の振り込みから、公共料金や携帯電話料金などの自動引き落としまで、安全にお金のやりとりをすることができます。

金融機関を上手に利用しましょう

金融機関を利用する際には、そのサービス内容などを比較・検討して、自分にあった金融機関を選びましょう。

金融機関を選ぶポイント

利便性

自宅や勤務先など自分がよく使うエリアに店舗またはATMがあるなど、金融機関を選ぶ上で利便性はとても重要です。インターネットバンキングの使いやすさもあわせて比較・検討しましょう。

金利

金融機関によって金利は異なります。自分が利用したい貯蓄もしくはローンなどの金融商品の金利を調べておくことも大事です。

ATM利用手数料

ATMの時間外手数料は、回数が多くなればそれだけ負担になります。ATM手数料の無料時間帯が何時から何時までか、時間外手数料はいくらかかるのかなどATMを利用するにあたって大事な点を比較しておきましょう。

振込手数料

店舗、ATM、インターネットバンキングでの振込手数料は必ず調べるようにしましょう。また、他の金融機関への振込手数料も確認し、手数料をなるべく抑えるようにしましょう。

口座を作る ー金融機関などを利用するための第一歩ー

  1. 口座を開設する前に
    • 本人であることが確認できる書類(マイナンバーカード、運転免許証など)と印鑑を用意しましょう。
  2. 申込書類に必要事項を記入する
    • 金融機関の窓口で「口座を開設したい」と伝え、必要書類に記入し、通帳を受け取ります。
  3. キャッシュカードが自宅に届く
    • 希望すれば数日後にキャッシュカードが自宅に郵送されます。ATMなどでさまざまな取引が可能になります。
  4. 利用する
    • 預けたり、ためたり、引き出したり、振り込んだり。ATMや窓口、インターネットから利用できます。

※インターネットなどで申込みができる場合もあり、金融機関によって方法が異なりますので、口座を開設したい金融機関に確認しましょう。

振り込みをするときの注意点

10万円を超える現金振り込みには、取引時確認(本人特定事項〈氏名、住居、生年日〉、取引目的、職業などの確認)が必要となります。

これは、マネー・ローンダリング(犯罪などで得た資金の出所を隠すために口座を移し替えたりすること)やテロ資金対策のため国際的な要請に基づいて決められたルールです。

10万円を超える現金を振り込む場合

ATM:振り込みできません。

窓口:本人確認書類等が必要です。

口座から振り込む場合

ATM、窓口、インターネット:振り込むことが可能です。

※ただし、口座開設時に取引時確認が済んでいない場合には、本人確認書類等の提示がないと振り込みできないことがあります。

本人確認書類について

個人の場合

マイナンバーカード、運転免許証、旅券(パスポート)、在留カード、健康保険証、国民年金手帳、など

※顔写真がない本人確認書類の場合、追加の書類が必要です。

法人の場合

登記事項証明書など

振り込め詐欺救済法について

この法律の制定により、犯罪に利用された口座に一定の残高がある場合、それを元に被害者に被害額の一部または全部の返金を行い、被害の回復を図ることができるようになりました。

振り込め詐欺等の被害額支払の流れ〈被害額支払のポイント〉

  1. 被害者が警察と振込先の金融機関に被害を申出
  2. 預金保険機構が犯罪に利用された口座の公告をホームページに掲載
  3. 被害者が振り込んでしまった口座がないか確認
  4. 預金保険機構が被害額支払を受け付ける公告をホームページに掲載
  5. 被害者が申請期間内に振込先の金融機関に申請
    ※犯罪利用口座の残高に対する口座名義人の権利を失わせる手続きが終了した後、約90日間
  6. 金融機関が口座の残高に応じて被害者に支払

休眠預金等活用法について

休眠預金等活用法の施行により、2009年1月1日以降のお取引から10年以上、その後のお取引のない「休眠預金」は、民間公益活動(子供や若者の支援、生活困難者の支援、地域活性化の支援など)に活用されることとなりました。

休眠預金の対象

普通預金に加えて、定期預金、貯金、定期積金などが対象となります。

一方で、財形住宅や財形年金といった財形貯蓄や、障がいのある方のためのマル優の適用となっている預金、外貨預金などの預金保険制度の対象とならない預金は対象外となります。

休眠預金の引出し

休眠預金となった後も、お取引のあった金融機関に通帳や取引印、本人確認書類等をお持ちいただければ、引き続き、引き出すことが可能です。

休眠預金の有無や引出し手続などの詳細は、各金融機関にお問い合わせください。

偽造や盗難などキャッシュカードのトラブル

不正に取得したキャッシュカードや偽造したキャッシュカードを用いて、ATMから預貯金を引き出すという犯罪が発生しています!

偽造・盗難などキャッシュカードの被害に遭わないために

キャッシュカード管理について

  • キャッシュカードは携帯し、紛失していないかこまめに確認する。
  • 他人にキャッシュカードを渡さない。
  • 長期間利用していないキャッシュカードは安全性に問題がある場合があるので、取扱い金融機関に相談する。

暗証番号について

  • 生年月日、電話番号、車のナンバーなど他人に推測されやすい番号は使わない。
  • 他人に暗証番号を教えない。
  • 暗証番号をキャッシュカードに記入しない。
  • ATM の操作中、暗証番号をのぞき見されないよう不審者に注意する。
  • ゴルフ場やサウナなどのロッカー番号に暗証番号を使用しない。
  • 他人に知られた可能性がある場合には暗証番号を変更する。

インターネットバンキング利用時の注意点

スマートフォンやパソコンで簡単に預貯金の残高をチェックしたり、お金を振り込んだりと、インターネットバンキングの利便性は日々高まっています。

一方、トラブルも増えており、取引をするときは十分注意しましょう。

フィッシングやスパイウェアなどに注意しよう

例えば、金融機関からのメールを装い、偽サイトにアクセスするように仕向け、インターネットバンキングのIDやパスワード、ワンタイムパスワードなどを入力させるという手口で、個人の金融情報を不正に入手し、金銭をだまし取る犯罪が発生しています。

業者が定めている約款、利用規約、取引規約などを確認しよう

どんな取引でも重要なことですが、インターネット取引ではおろそかになりがちです。しっかり確認しましょう。

セキュリティ対策をしよう

心当たりのないメールは開かない、あやしいメールのリンクをクリックしない、誰でも利用できる端末でインターネット取引をしないなど、日頃から注意するようにしましょう。

また、市販のセキュリティソフトを使うと、あやしいサイトにアクセスするのを未然に防ぐのに役立ちます。

出典:https://www.fsa.go.jp/teach/kou3.pdf